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October 19, 2009
北京 6日目:中国伝媒大学広告学院デザイン専攻2年生
本日、中国伝媒大学広告学院での初授業。
2年生対象の授業でしたが、こちらの大学では、1年生は教養科目しか受けず、新学期も9月始まりなので、2年生といってもまだほとんど知識もスキルもないのだそうです。
広告学院ということもあるのでしょうが、日本以上に、それも遥かに市場経済主義で、目先のスキルが重視されているようです。良い作品をつくることとか、賞を取って社会的評価を受けることといったこと以上に、就職できるかが、まず何より重要なのだそうです。
日本でも、現在の就職難は、専門をこだわってられない、職にありつければいいというところがありますが、中国の貧富や生活階層の違いは、日本の現在の経済的危機のそれとは、比べられないもので、その専門で職を得るかどうか、まずなによりも、お金になるかどうかという問題は大きいのでしょう。
それと、一般におけるデザインへの理解はなく、ロゴをつくったぐらいでは「なにもしていないじゃないか」ということで、クライアントがお金を出してくれないそうです。そのため、ある程度派手なことをしないと、という傾向にあるようです。
こちらに着いて、先生方との打ち合わせの感触から、初日の授業の内容は、大幅に組み替えてみましたが、今日の感触をみていると、それでも学生にとって抽象的だったかもしれません。なかなか抽象度の高い話は、通用しなさそうです。
もっとも、日本の学生も、大学に入ってくるときには、「絵を描くのがすきだからデザイン学科にきました。CDジャケット、ポスター、パッケージをつくりたい!」というレベルだから、そんなにちがわない部分もあるのかもしれません。
明日は3年生の授業ですが、冒険として、もう一度概念的な話をしてみるか、思案中。
急遽大幅に内容を変えたことで、うちの学生にも作品のデータを送ってもらったりしました。協力してくれた人達、謝謝。
投稿者 raumraum : 09:10 PM | コメント (0)
October 16, 2009
北京 3日目
建国門→[地下鉄]→国貿→SOHO建外→第22芸術区(今日美術館、ギャラリー等)→国貿→[地下鉄]→建国門→中国伝媒大学(打ち合わせ・歓迎会)
本日は、建築ラッシュの国貿周辺へ。テレビ局や貿易センターが乱立する地区。レム・コールハースや山本理顕の建築が並ぶ。
山本理顕の「建外SOHO」。集合住宅群だが、かなりオフィスとして使用されている模様。
Skidmore, Owings & Merrill (SOM) 社による建築。中国ワールドトレードセンター。74階の高層ビル。
コールハースのCCTV局。奥に見える黒いシルエットが焼けてしまったTVCC局。巨大なビルの丸焦げは、かなり痛々しい。
国貿駅の周りは、首都高が張り巡らされ上も下ももの凄い交通量。今でも交通規制はしているそうだが、今日は風がひどいことも加わって、もの凄い砂埃。さらに南下し、川を渡ると「22院芸術区」が見えてくる。
「22院芸術区」は、コンテンポラリーアートを扱う「今日美術館」の他、ギャラリー、デザイン事務所、デザイン&アートショップなどのテナントが入る商業アート地区になる予定らしい。美術館は、オープンしているが、まだギャラリーも5、6カ所しかオープンしておらず、テナントを募集している。
手前の茶色の建物が今日美術館で、黒い建物がギャラリーやショップの入るビル群。美術館の前には、岳敏君[Yue Min Jin]の彫刻が立っている。は、1962年竜江省大慶市生まれ。ユーモラスな、笑う群像の絵やオブジェを制作している。売れっ子なので、あちこちで作品を見かける。
さて、1号館を入ると、正面の展示室は、何やら解体中。隋建国 [Sui JianGuo]の展覧会が前日に終わったところ!!しまった!昨日こっちの見学を先にすべきでした。しかし、美術館がオープンしていても、解体作業は丸見えなので、大きなオブジェの断片が見えた。隋建国も中国現代アートの牽引する大変著名のアーティスト。また、中国の最高峰といわれる、北京の中国美術学院で教鞭をとっている。
3階では、スイス建築の展覧会をやっていた。来年行われる上海万国博覧会のスイスパビリオンの設計等が出ていたが、なんとも、展示がひどくて、これは、がっかりしてしまった。
今日美術館No1.裏にNo.2とNo.3がある。
2号館。建物の左上には、隋建国の恐竜オブジェ。
さて、コレクションの陳列と表示が出ているのだが、入り口を入ると工事現場。「展示が見れないのか?」と聞くと、奥へ案内してくださる。キャプションもないコレクションが、一応展示してある。聞かないと展示があるなんてわからない!
3号館。「巴黎——北京—走向纯粹」という展覧会が開催中。油絵の展覧会で、パリの風景を描いたもの。
。。。という訳で、今日美術館の展覧会自体は、ちょっと期待はずれ。ただ、この場所に来てみて、現代中国の芸術領域の現状を、すくなくとも、北京の様子を、少し肌で感じることができた。明日訪れる798芸術区も観光地化していると、事前に東京画廊さんより伺っているが、新しい高層ビルの建ち並ぶ国貿周辺に、商業的文化地区をつくってしまう。。。というのは、なによりも経済効果を優先している、現在の中国の在り方を象徴している。
正直、キッチュなイメージばかりが先行する中国アートにさほど興味を持てないでいた。しかし、国家や経済の波は余りにも大きく、様々なイデオロギーの制約から脱却することの難しさ、そのために、それらをちゃかすことで、相殺せざるえないのだろうと、途方に暮れるような感覚をもった。
2号館横のミュージアムショップ。
内装工事中のギャラリーやショップ。
国貿の高層ビルがみえる。周りはどこもかしこも工事中。
投稿者 raumraum : 10:20 AM | コメント (0)
October 15, 2009
北京 2日目 / the 2nd day in Beijing
建国門→王府井大街→王府井小吃街→王府井大街→東安門街→五四大街→中国美術館→景山公園→北池子大街→南池子大街→天安門東→天安門広場→天安門東→王府井→建国門
忘れないうちに、アップできるものから備忘録。
北京国際飯店(建国門)
ホテルの前の建国門内大街。目抜き通りなので、広い!
建国60周年なので、至る所に。。。右は地下鉄の東単駅
この歩道橋がとても揺れる。大丈夫か。。。
ここら辺は、高級ブティックやショッピングモールが続く。
王府井大街。北京の銀座という訳でもないが、外国のブランド・ブティックやデパートが建ち並ぶショッピングストリート。
王府井小吃街。大街(大通り)を脇道に入ったところ。庶民的観光ストリート。安い土産物屋や色々な肉の串焼きの屋台が建ち並ぶ。サソリや虫、ヒトデなどの串焼きがあるとは聞いていたが、ここのことでしたね。
庶民的とは書いたものの、高級繁華街王府井大街のすぐ横で、作られた庶民的脇道という感じがする。前からあるんだろうけど、あまりにも、アジアや中東にありそうな感じ。
この後、王府井大街に戻り、東安門大街まで北上。昼食休憩。
王府井大街をさらにテクテク北上し、五四大街を左折。やけに派手で大きな(中華料理店のような)建物。。。。が、中国美術館
中国美術館の正面。
「国家重大歴史題材美術創作工程作品展」って。。。
歴代の主○の肖像画、戦時下の侵略解放、戦後外圧への抵抗等、全て今回のために制作された現代の壮大な歴史絵巻といった感じ。
それにしても、みんなとてもうまいので、顔を見るだけで、誰だかわかる。
創作展までの工程も年表みたいなものが貼られている。
なんか興味深かった(といってしまっていいのか??)のは、最上階にそれぞれの絵画ができあがる工程(スケッチ、プロトタイプの彩色画、手記等)が展示されている。なんかに似ている。。。と思ったのだが、アニメの制作工程の展覧会みたい。この展覧会自体が、歴史ストーリー制作への綿密な絵コンテ。。。みたいなものでしょうかね。
以後、現代アートと比較する上で、色々と考えさせられた。
さらに西へテクテク、ひたすら歩く。故宮の真後ろ、神武門前に辿り着く。
神武門
その向かい側には景山公園への入口を入る。ここの頂上から、故宮を見下ろす風景は圧巻とガイドブックにある。。。ので、上を見上げて。。。直線距離の急な階段コースと迂回の楽々コースを悩み、、、もうひと頑張り、直線コースへ。
これは確かにすごいですね。
しかし、、、向こうに見えるスクリーン2つ。天安門だろうが、うう〜ん。
北の向こうの方に鼓楼(左図)、東に国貿のCBD(右図)が見える。かすかに、CCTVや貿易センターのシルエットがみえる。
下を歩いているときには予想していたより、スモッグはひどくない。。とは思ったが、上に登ってみると、やっぱりなんかすごい。こんなに見晴らしのいい場所なのに、すぐ霞がかっている。
しばらくして下山。
故宮の外周には筒子河というお堀がある。
左手に、筒子池沿いの四合院、右手に神武門
四合院。
まるで、天空に浮かぶ様。
筒子池沿いをジョギングする人。散歩している人も結構いる。
そうか、東京のお堀と同じですね。
筒子池を東手の方に回り、北池子大街、南池子大街を抜けて、天安門広場に向かう。道の両脇には、四合院が並ぶ。故宮の外壁を一歩出ると、そこには洗濯物が干されていたりして、庶民的な風景。
天安門のスクリーンの正体は、これも建国60周年のものでした。両脇に四角い大画面、正面に2つ横細の画面。。。右の写真は、有名な毛沢東の顔がある広場ですが、ここは正面には立ってはいけないので、横から。
それにしても、故宮、天安門、ここら辺は、中国の人にとっても、一生一度の観光地だから、黒い頭だらけ。押し合いへし合い。ぐったりする。
私も、観光客だから文句はいえないが、興ざめというか、申し訳ないが疲れてしまう。
前門の先まで南下するのは、もう無謀とあきらめる。歩いてホテルに戻るのは、しんどいので、初地下鉄。
地下鉄の通路。
おや、オダジョー(の映画)と思って、さらに左に曲がると「TSUBAKI」。
なんだか、見た顔いっぱい。
地下鉄は、まず入るところで、荷物検査。
デポジット付きのICカードを買うか、1回券を買うか悩んだ末、どのぐらい乗るわからないので、1回券を買う。2元(30円)だし。。。
地下鉄は、電車もすぐ来るので便利だった。ただし、もの凄く混んでいる。
今日は、朝9:30〜19:00まで、途中の昼食と夕食を抜かして、ずっと歩きっ放し。なんとなく、土地勘、距離感を得る。
投稿者 raumraum : 11:14 PM | コメント (0)
October 14, 2009
北京着 / Arrival in Beijing
結局いつものごとく徹夜。朝5時前に自宅を出て、成田へ。
成田空港→北京首都空港
12:30頃、北京首都空港着。
オリンピックに合わせて作られた新しい第3ターミナルに着く。
一応オリジナルの設計はノーマン・フォスターらしいが、さまざまな国際的建築家とコラボレートしているArupとの共同作業のよう。
あんまり、きちんと見てこなかったら、南京に移るとき(ここ使うのか?)もう一度見よう。
初中国。初北京。
お迎えの万(ワォン)さんと段さんにお会いする。
幸いなことに、秋晴れ快晴。
でも、こんなにあたたかいのはひさしぶりだそう。
ホテルまで送っていただく。
途中、CBD(Central Business District)の脇を通る。
レム・コールハースの建設中CCTV(テレビ局)と
その脇に、同じくコールハースの、無惨にマル焦げのTVCCの巨大ビル。
旧暦の正月の花火で焼けちゃったとか。
CBDをすぎて、距離にして数駅ぐらいいった建国門近くのホテルに到着。
ちなみに、この道をそのままいくと、左手に北京駅、前方に王府井。
さらに先に進むと天安門広場だそう。
ホテルの窓から。左が建国門外街という大通り。
とにかく、何でも広い。大きい。
夕飯は、王府井を入ったところの庶民的な店。
三鮮包、緑豆粥、菜の花の炒め物。悪くないが飽きてしまう。
ショッピングモールで、ミネラルウォーターと菓子パンを買い、
ホテルに戻る。