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June 07, 2008

国宝薬師寺展

一応いかなきゃいかなきゃとメディア戦略にのせられ、バウハウス展を見たのち「国宝 薬師寺展」(東京国立博物館)を梯子。すでに70万人突破。。顔見知りの警備の方に伺ったら、今日は少なめで24000人ぐらいですかね〜、とのこと。クレイジー。ちょっと桁が違い過ぎ。きっと今日明日最終の週末は恐ろしいでしょうね。

混んでいること覚悟で、一応見ておく:というのが、ほぼ目的で来館。日光・月光菩薩や聖観音菩薩立像がほ〜と堪能できるのはわかっていることなので、コメントは省きたい。むしろ、仏像に群がるすごい人数の来館者。。。の方が不思議な光景。。。。その中で、つい職業病で俯瞰して観客見たり、照明の仕込み覗いたり、あやしい動きをしてしまいました。

マニアックなものとして、藤原期に作られた「塑造人物像頭部」等は必見です。欠落頭部がいっぱい展示されていてました。ペルシャ等の西方の胡人を表わしたものらしく、結構細部の表情まで表現されていて面白かったです。

展示について、今回点数が多くはないことと菩薩像等に合わせた演出でしょうが、ちょっと過剰演出のように思えました。実験的なことを近年色々やられているので、基本的には毎回楽しみにはしているのですが。。。。

映像を扱う身として思ったのは、高精細映像は使い方難しいですね。テレビ的映像をそのまま流してしまっているから、しょうがないのですが、人間の眼が空間の中で移動する際に把握できる情報って多くないので、あれは精彩すぎて、また、ズームやパーンが速すぎて酔ってしまう。また、吉祥天のところも、(今回は残念ながら良い意味でなく、ゆえに参考にはなったのですが)さきにあれだけ高精細を見せてしまうと、むしろ本物の色をじっくり堪能できなくなってしまう。あえて場所を離すのか工夫が必要ですね。(でも、本物の色、もちろん保存のために大変暗い照明でしたが、きれいな色彩でしたね。)展示演出や空間演出のための映像表現は、やはりまだまだ開発されていないなと思いました。自分でも高精細で展示演出を扱ったりしますが考えなきゃですね。。。。でも、色々とできることがうらやましく。。。

混んでいますが行かれることを薦めます。。。

投稿者 raumraum : 04:22 PM | コメント (0)

bauhaus2

やっと6月5日「bauhaus」展(東京芸術大学大学美術館)にもう一度行って来れました。すでに先日の月曜日展示替えということだったので、中身が一部変わっていました。。。。といっても、前回は本当に人としゃべっていたので、いったい何が変わったのか、一見分からない。。。でも本当に点数が多いので、お腹いっぱい。丹念に見たい方は、複数回行かれることを勧める。

手放しでクレーやアルバース、バウハウスの各種家具は喜んでみてしまうが、この展示は盛りだくさんでなので、ここではコメントを省きたい。一言では言えないが、印象に残ったのは、各マイスターの予備課程授業の中で制作された学生作品の数々。

ラスロ・モホイ=ナギ自身の作品はいわずもがなで、関連した中でやっぱり眼を惹いてしまったのが、ナギの授業「バランス研究」の中で生まれた立体作品。イルムガルト・セーレンセン=ポピッツの「浮遊するイメージをもつ立体」や作者不明の立体作品など、なかなか良かった。ああいう演習は、現代でも通じるというか必要だと思う。珍しいものとしては、日本から留学した3人(水谷武彦、山脇巌、山脇道子)うちの一人である水谷武彦の素材体験演習の作品もある。

ヨースト・シュミットの立体系作品「放物面の立体」、シュミット造形工房制作されたハインツ・レーヴ、エドムント・コラインの視覚的容積表現のための実験的インスタレーション「直線と円(棒と環)から回転して双曲面体、球体などへ」もナギの授業とはまた違ったし通ずる空間の成立を感じられ興味深い。ちなみにレーヴとコラインのこのインスタレーションは、ボタンがついており動かしてみることができる。

結構こういうのも。。。良いよねっというのが、ヨハネス・イッテンの予備課程の物質研究や素材研究の演習。作者不詳の色んな顔の立体的な素材研究の数々は笑ってしまった。アリアリ。実際作品として、マルガレーテ・ヴィラース(?)の立体作品やエーリヒ・クラウゼの物質研究1「物質の並置的配列」と「関係-探求」、ラインホルト・ロッシヒの物質研究もなかなか良いと思う。こういう素朴だけれども直感的でセンスある丹念な扱いのスタディは、いまの学生にもしてほしいと思ってしまう。

グレーテ・ライヒャルトの操り人形って、ヨゼフ・アルバースの予備課題だったのですね。スイスのおもちゃメーカー「ネフ」で復刻が販売されていますよね。ほしくなりました。

プロダクト系では、色々好きなものはあるものの、あらためて品の良い美しさを感じたのがヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの食器やランプ等。あと、あまり意識したことがなかったのだが、マリアンネ・ブラントのランプは良いなと思う。

トリアディック・バレエは、何度か見ているはずだが、何度見ても変な面白さがある。好みからいうとオスカー・シュレンマーは、好みというよりなんだか見てしまう。結局三つとも見てしまった。空間や人のフォルムのスタディは抜群。ところで、ドイツにいるとたま〜に、バウハウス・ビューネの再現といったパフォーマンスをみれることがある。いまでも、総合芸術としての舞台の根源的可能性が見て取れるのだと思う。ナギの舞台の演出ノーテーション(バウハウス叢書所収)とか、やっぱり良いですもの。

そのほか、ナギの作品はフォトグラムやコラージュはもう少し沢山見たかった。まあ、この展示はそういう主旨ではないのでしょうがないが、アルバースの写真とかも見たかった。アルベルト・ヘニックの「羽とヴェールのコンポジション」は、各種素材研究に通ずる面白さがあった。

余談:東京スタジオさん渾身の力を込めて制作のグロピウスの校長室再現も今回はしっかり入りました。よくまあ細部まで。私がほしかったのは2室の年表です。。。。あとなんだか日芸デザイン学科では、展覧会のステッカーが大人気。かなりの数あったのですが、みんなべたべたノートとかに貼っています。あのオレンジは目立ちますね。
それと素朴な感心・感想→ナギってやっぱりちょっと別格。

投稿者 raumraum : 03:17 PM | コメント (0)