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May 06, 2006

ナム・ジュン・パイク / Nam June Paik

ナム・ジュン・パイク(Nam June Paik, 1932-2006)が今年1月29日に亡くなって早3ヵ月。当時一報をしったのは、メーリングリスト。20世紀を代表するこのヴィデオ・アートの先駆者(とだけで言い切ってよいのか?)、メディアの申し子の死を悼むメッセージが行き交っていた。

私が留学していたケルンは、近郊の町デュッセルドルフと並び、フルクサスの拠点だった。ケルンメディア芸術大学(Kunsthochschule für Medien Köln)の同僚たちの中には、デュッセルドルフの芸術アカデミー(Kunstakademie Düsseldorf)において、ドイツを代表する現代美術家たちのマイスター・シューラーだった人達も多い。

友人のマティアス・ノイエンホッファー(matthias neuenhofer)は、ナム・ジュン・パイクのマイスター・シューラーだった。彼からのメールによると、今日5月6日、かつてのパイクのマイスター・シューラーたちの企画で、パイクへのオマージュとして『 Hommage à Nam June Paik』(会場:17 Hafen - Bootschaft)という催しを行なうらしい。専門家、かつての教え子たちが、パイクの作品、ヴィデオを見直し、そして短い幾つかの講演会を挟みながら、彼の人柄を偲ぶ会は夜中の2時頃まで続く。マティアスは、ここで『ヴィデオ・タイム-ヴィデオ・スペース, ナム・ジュン・パイク, デュッセルドルフ・クンストハレ, 1991 - マティアス・ノイエンホッファーの視点から("Video Time-Video Space, Nam June Paik in der Kunsthalle Düsseldorf 1991 - Beobachtung von Matthias Neuenhofer)』というヴィデオを見せるらしい。1991年にデュッセルドルフのクンストハレで行なわれたパイクのインスタレーション、パフォーマンスの様子をマティアスの視点から追ったものらしい。

デュッセルドルフ芸術アカデミーは、ヨゼフ・ボイス(joseph beuys, 1921-86)、ナム・ジュン・パイクといった20世紀後期の偉大な芸術家たちが集った場所である。ボイスといえば、パイクは一緒にパフォーマンスをしていたし、彼のヴィデオ・インスタレーションはボイスの姿無くして語れない。奇しくも今年は、ボイスの没後20年。ドイツでは各地でボイス関連の展覧会、催し物が開催されている。

ドイツは、1つ1つ確実に時代の検証を行なう国である。かつてあるドイツの偉大なデザイナーが亡くなったとき、その人の残り香のようなものがあるうちにドイツの土を踏んでみたいとおもったものである。ボイスが去って早20年、パイクが逝ったと聞くと、いよいよ20世紀の末尾も歴史の中なのか。なんだかそんなことも日本にいると時代の速さに流されていってしまいそうだが、いつの時代でもヨーロッパはきちんと土のにおいかぎながら進んでいるような気がする。特にドイツは土臭い。ここのところドイツはもちろんのこと、ヨーロッパでは各国で20世紀初頭から世紀末まで各時代を検証する展覧会が沢山開催されているようである。日本でも20世紀を振り返る展覧会はそれなりに続いているはずなのだが、もっと確実に土のにおいを嗅ぎたい。久しぶりにヨーロッパに行きたいと思う今日この頃である。

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と、まで書いて、mori art museumで明日まで開催している『ベルリン-東京/東京-ベルリン展』を観に行った。いい作品が色々と出ているにもかかわらず、でもどうしてこの文脈でこの人のこの作品が必要なの?という感じ。それでも、なかなか見れない人達の作品が観れて、それだけでも良かったか? と、密かに思ったり。

ところで、あそこで開催される展覧会は作品のアウラを奪う。『ハピネス』展のときも、ボイスに気がつかず一度通り過ぎてしまったぐらい、あの彼のインスタレーションもフェルト・スーツもアウラがない。今日もフルクサスのコーナーで、ある作家のパフォーマンス・ビデオを観ていて、「なぜボイスのがないんだろう」と考え込んでしまった。が!!。。。すぐ隣で、まさに草月会館で行なわれたボイスとパイクの共同パフォーマンスの映像が流れていた。(単に私が不注意なのか)

今日は、パイクとボイスのことを考えていたら、彼らのパフォーマンス映像が見れてなかなか楽しい思いをした。嬉しそうに伴奏するパイクとコヨーテになっているボイス。『ザワクラウト総譜』というボイスのパフォーマンスの写真は笑った。ピアノがザワクラウト(キャベツの酢漬け)まみれになっていた。ボイスがまじめに演奏していた。

投稿者 raumraum : 12:23 PM | コメント (0)

おもわぬ収穫?/ unerwartete ernte ?

ゴールデンウィークもあと2日。休暇の恒例か?思い切り風邪で寝込みました。ずっと自宅にいましたが、私にはめずらしくほとんど毎日ごろごろと映画を見て過ごしました。ひどい時には、年に数本しか観ないのに、今年はこの休暇中に(私の平均)1年分以上観てしまった。もう一度観たものあり、長年観ようと思っていて観れなかったものあり。これは、思わぬ収穫!?おかげでブログも再開したし。。。。。

es gibt noch nur 2 tage von goldener woche. wie meine übliche feiertage bin ich total erkältet gewesen und ganze zeit zu hause geblieben. ungewöhnlicherweise habe ich fast jeden tag faulenzend nur filme gesehen. normalerweise schaffe ich, nur paar filme pro jahr zu sehen. aber diesmal sah ich schon mehr filme als duchschnitt meiner filmabende in einem jahr. die filme, die ich schon vorher gesehen habe und die ich schon lang sehen wollte. das war eine unerwartete ernte !? glücklicherweise habe ich damit meinen blog auch wiederangefangen.....

投稿者 raumraum : 02:19 AM | コメント (0)

May 05, 2006

ガタカ/ gattaca

『gattaca』(directed and written by andrew niccol, 1997, USA)のビデオをようやく観ました。いつかは、と思いつつ、なかなか観ていなかった映画です。

 映画のタイトルである『gattaca』とは、DNAの基本分子となる『g=グアニン(guanine)』『a=アデニン(adenine)』『t=チミン(thymine)』『c=シストシン(cystosine)』の頭文字を組み合わせて名付けられたそうです。

タイトル・ロールが、それを暗示させていて、揺らぎながらこの頭文字とともに、配役などが浮かび上がり、控えめで美しい仕上がりになっています。

この暗喩は、本編各所にも表れています。主人公ヴィンセントとジェロームの家の階段は、螺旋階段になっていましたし、ジェロームのセカンド・ネーム"ユージン(eugene)"とは、ギリシャ語で"eugenios=良い、優秀に生まれた”という意味であり、つまり"good gene(優性な遺伝子)"を表し、"eugenics(優生学)"の語源となっているそうです。

das video vom film "gattaca" (regie und drehbuch von andrew niccol, 1997, USA) habe ich gesehen, den ich schon lang sehen wollte.

der titel "gattaca" ist aus kombination der anfangsbuchstaben der vier nukleinsäuren der DNA zusammengesetzt: "g=guanin", "a=adenin", "t=thymin" und "cystosin".

die titelrolle deutet diese bedeutung an. diese vier anfangsbuchstaben tauchen wie schwebend mit namen der schauspielern auf und die sequenz ist sehr zurückhaltend und wunderschön.

dieses metapher erscheint oft im story auch. z.b. die treppe des hauses von der hauptperson vincent als fehlendem mensch und jerome als perfektem mensch ist spiralförmig; der zweitname von jerome "eugene" stammt von griechisch "eugenios - gut, gut geboren". d.h. "gute gene"als der stamm von "eugenik".

物語:
 舞台は近未来。自然受精と人工授精による出産がまだ混在し、遺伝子の優劣操作によって、人々が"適正者"と"不適正者"とで差別されている時代の話。
 主人公ヴィンセント・フリーマンは自然受精による劣性遺伝子をもって生まれた。彼は幼少の頃からの宇宙飛行士になる夢を断ち切れず、家を出てしまい、やがて、優性遺伝子をもちながら事故で下半身不随になったジェローム・ユージン・モローと出会う。ヴィンセントはジェロームと取引し、彼の優性な遺伝子データによって、宇宙局をもつガタカ社の入社試験に合格する。宇宙への思いを胸に、ヴィンセントは日課の適性検査においてもジェロームとして優秀な成績をおさめ、最終的にタイタン(土星の衛星)行きの宇宙飛行士に選ばれることに成功する。しかし、ロケット打ち上げを間近に控え、会社内で殺人事件が発生。事件現場近くから、何年も行方不明となっている"不適正者=ヴィンセント"の睫毛が発見されたことから事態は急転。"不適正者=ヴィンセント"は容疑者とされ、"ヴィンセント"を捜す徹底的な社内捜査が始まる。

投稿者 raumraum : 12:24 PM | コメント (0)

May 02, 2006

奇人たちの晩餐会 / LE DINER DE CONS

cons.gif『奇人たちの晩餐会』(フランシス・ヴェベール Francis Veber, フランス, 1998)のビデオを見ました。単純に面白かったです。フランス語のリズムが小気味よく、フランス語が理解できればなと思いました。

das video des film "LE DINER DE CONS" (regie und drehbuch von francis veber, frankreich, 1998) habe ich gesehen. einfach macht es mir spass. das rhytums des französischen dialogs hat sehr gutes tempo. ich hätte gerne französisch verstehen.







投稿者 raumraum : 05:06 PM | コメント (0)