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October 13, 2008

琴平・丸亀・直島・犬島・高松 / kotohira・marugame・naoshima・inujima・takamatsu

今年の夏期旅行。直島・高松周辺。すでに一ヶ月経ってしまったが、少しメモ。

9/10: 東京→高松空港→琴平→丸亀→宇野港→直島
9/11: 終日直島:朝食港近くで→ベネッセ・ミュージアム→野外作品散策→地中美術館→ベネッセハウス・パーク→夕食
9/12: 直島:朝食ベネッセハウス・パーク→犬島→直島:家プロジェクト散策→野外作品散策→ベネッセハウス・ミュージアム→夕食
9/13: 直島→高松港→昼食(もちろん讃岐うどん)→イサム・ノグチ庭園美術館→高松駅→高松空港→東京

9/10
琴平:

午前中割と早く到着する便で高松空港へ。まずはバスで琴平に直行する。何百段とあるという金比羅宮への噂の階段。階段はせまく両脇にびっしりと土産物屋さんが立ち並ぶ。無料で杖も貸してくれる。内輪や帽子が売っているのも納得。汗だくで大変だった。階段の上にかけられた白い布の日よけが、なかなかのおもむきのあるものだった。金比羅さんの入り口までくると、琴平の街が見渡せる。

金比羅さん、あちこちに○金マーク。お守りも金色ならぬ、黄色だった。(なかなか晴れやかで欲しくなりました。買わなかったが。。。たぶん鮮やかな黄色がいっぱい並んでいるから欲しくなるのだ。)歴史のある神社だが重々しい空気はなく軽やかで、本宮からの眺望は上った甲斐あり。さすがに奥宮まではいかなかった。

瀬戸内のせいか、海洋にまつわる写真や札などが沢山ある。アルミ缶リサイクルで制作されたソーラーボートが展示してあった。その上には、なぜか宇宙飛行士だった秋山さんの写真入り木のパネルも。

応挙がギメに行っているのは知っていたが、高橋由一まで行っちゃってありませんでした。(涙)まあ、一度東京でみているからいいか。応挙はまた次回ぜひともみたいものです。

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丸亀:
琴平から丸亀へ移動。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ。この美術館は猪熊の「芸術は人々の生活の拠点にあるべき」という思想のもと、駅前からの環境計画も含め設計されている。建築は谷口吉生によるもの。2度目の来館。自然光の中での鑑賞もそうだが、なによりただただこの空間内を歩くの楽しい。近くにあれば、ちょっと寄って展示を見たり、カフェでゆっくりお茶をしたい。そういう美術館は日本は少ないですね。欧米だと、美術館にたいていすてきなカフェやレストランが併設されているのですが。

ちょうど、ピピロッティ・リスト(Pipilotti Rist、1962ー、スイス )の展覧会をやっていた。原美術館からの巡回のようだが、はるばる香川でみてしまった。ちなみに丸亀での展覧会名は「ピピロッティ・リスト:ゆうゆう」、原美術館のは「ピピロッティ・リスト:からから」

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丸亀→直島

丸亀から高松港へ出て、直島行きのフェリーに乗る予定だったのだが、、、同時刻発車の別の列車に乗ってしまった!!何駅かすぎて間違いに気づき、次の駅で降りようとしたが、なんと海。。。瀬戸大橋を渡ってしまった。(なんのために高松に飛んだのか。本州に戻ってしまった。)しょうがないので岡山側の宇野港にでて、直島へ。でも、瀬戸内海を渡るのは、海がきれいでした。だから得したのでしょう。初日からハリキリ過ぎでした。

初日の宿泊はベネッセハウス・ミュージアム。愛すべきソル・ルウィット(Sol LeWitt 1928-2007、アメリカ)のリトグラフが飾ってある部屋でした。堪能。。。

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9/11
ミュージアムの作品をざっとみる。ミュージアムのメインギャラリーから屋外に出ると杉本博司の水平線シリーズ「Seascapes」が展示されている。通常写真は照明も暗い屋内に展示されているが、ここでは劣化も恐れず、海の見えるテラスに設置されている。考えてみれば写真は光を取り込むメディウムで、それが太陽光のもとにおかれているのは、なにか自然なことのように感じた。モノクロ写真の中の水平線の向こうに、本当の海と水平線が見える。なにか写真にその色が映り込んでいるような気がした。

その後、ベネッセ敷地内に設置されている小型モノレールでベネッセ・オーバルへ。宿泊していないので外観のみの見学。楕円型に配置された各部屋への入り口のある建物の内側には水があり、屋根の部分は緑が植えられて、つたの緑と水と壁面の青の空間へ。

その後、野外彫刻の散策をしながら地中美術館へ。

ここには、モネ、ジェームス・タレル、ヴァルター・デ・マリアの作品だけが展示されている。

タレルは久しぶりだったが、いつものように目の仕組みにだまされ、おお〜と楽しむ。モネ堪能。

早めに2日目以降の宿泊先であるベネッセハウス・パークへ。この日は休息日。ベネッセハウス全体が、美術と建築と自然を楽しみながら休息してほしいというコンセプトなので、部屋にはテレビもなくそのかわりBoseのCDプレーヤーがおかれている。紅茶、日本茶、コーヒー、ミネラルウォーターも好きに飲めるようになっていて、部屋でもゆっくりくつろぐことができる。各部屋ともテラスがあるし、朝も夜もテラスに椅子を置いてお茶と会話を楽しんだりできる。他の部屋では読書に耽っている人もいた。この日の部屋にかけられていた作品は、李禹煥のリトグラフ。

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9/12


朝食を終えると、フェリーで犬島へ。

犬島の詳細はまた別のページに割くとして、午前中は犬島製錬所を見学しお昼をとって、再び直島へ戻る。

午後から家プロジェクトをまわる。1時間半ぐらいで全て回れる。

地元の方々がボランティアでいらして、家を回るごとにちょっとしたことが聞けたりする。ちょうど千住博の作品が、作家の意向で制作し直しということで、母屋が閉鎖中なのだ、ということを係の初老の男性が話してくださった。「我々からすればせっかく作ったものをもったいない」などという感想を伺う。たわいもない裏話を地元の方と訪問者がかわす。そういう何気ないことがなにか土地の根っこを育てていく。

昨年ドクメンタに訪れた際にも随分と地元ボランティアが増えて、来訪者とコミュニケーションを持つことになれているなと思ったが、そういった本当にごく普通のたわいもない日常の行為の中に、芸術はあるべきだと思う。アートもごく普通の暮らしの中に根づく文化の一角なのだから。

家プロジェクトを見終えて、パークへ戻る。少し休んで残りの野外彫刻をみながらミュージアムへ向かう。ミュージアムでもまだ見ていない作品や、もう一度見たい作品を見直し、その後夕食。宿泊者は23:00ぐらいまでミュージアムの作品が見れたはず。それがミュージアムと住まい(宿泊施設)が一緒にあるすてきな贅沢。

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9/13
チェックアウト後、ミュージアムのカフェも試してみたくて、ブランチをとる。

バスに乗るために2Fのカフェから慌ただしく螺旋の廊下を下ろうとしたとき、家族が「あっ」という。コンクリートの隙間に、須田悦弘の雑草発見!!この旅で観た須田さんの作品には、ちょっと違和感を感じる部分もあったのだが、彼の雑草を見つけてほっとする。これでなくて。。。ああ〜、見つかってよかったと安心してみたりする。

港に向かい、フェリーで高松へ移動。荷物を駅に置いて、もちろん昼食は讃岐うどん。その後イサム・ノグチ庭園美術館へ向かう。

イサム・ノグチ庭園美術館を訪れるのは、オープンの際と今回で2度目。この美術館のある牟礼町は庵治石がとれることで有名な場所で、イサム・ノグチはアトリエと自宅を構え、こことニューヨークを行き来していた。移築された日本家屋(自宅)、同じく移築して倉を改造したアトリエなど、ノグチの趣向が随所に表れている。庭には完成作品、未完作品が所狭しと立ち並ぶ。ノグチは一つ一つ石をどの場所に置くか決めていたそうで、今でもその当時の通りそのままの状態でおかれている。自宅の横の石段をのぼると、枯山水を意識した庭園が広がる。右には石舞台、中央にはほっこり草の生えた丘がある。そして、丘の上には石が立てられており、高松の街が見渡せるようになっている。これがまさにその人の眠っている場所でもある。

見学を終えて、再び高松駅に戻り、空港へ。こりずに讃岐うどんを頬張る。そして東京に戻る。


投稿者 raumraum : October 13, 2008 11:28 AM

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