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January 03, 2010
江戸の彩り@浮世絵太田記念美術館 / The Color of Edo
開館30周年記念「江戸の彩り - 珠玉の浮世絵コレクション」
@浮世絵太田記念美術館, 2010年1月3日-2月24日
開館30周年記念で、太田記念美術館が収蔵する浮世絵の中から、150点余りを厳選し、浮世絵初期〜近代までの変遷を紹介している。前後期日程で、巻き返し(頁替え)以外は、全て入れ替わるので、両日程見た方がいいかもしれない。
着物の描写において大胆な紋様構成から陰影を入れるようになるまでの変化、江戸末期頃のものに見られる近代日本画との繋がりを感じさせる背景・風景描写の変化など、細かく見ると発見がいっぱいです。前後の時代の画風を知っているとより楽しめるかもしれません。
版本がおもしろかった。喜多川歌麿の『潮干のつと』とか、文字の入り方と画面描写のきめの細かさがかっこいいし、うまい。窪俊満『百さへつり』や葛飾北斎の『春のみやひ』に描かれた波はエンボスになってました。
それにしても歌麿は、他の浮世絵をみても、卓越した技術に基づく細かい部分の描写力はピカイチ。ちょっと別格。また、北斎87歳のときの『羅漢図』は、もういっちゃってます。北斎は各時期において、常にイノベーターですけど、晩年の画風は、囚われるものもないような超越した奔放さ、力強さがあってすごいですね。
軸の表装も見事なものがあるので、ぜひご覧あれ。
投稿者 raumraum : January 3, 2010 10:25 PM