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July 28, 2009
マース・カンニングハム逝く / Merce Cunningham is gone
マース・カンニングハムが逝った。また、20世紀を代表する偉大なダンサー、コレオグラファーがいなくなってしまった。90歳とのこと。
一昨年はベジャールがなくなったし、先日はバウシュが逝った。21世紀になって約10年。20世紀は、すでに歴史となっていく。
ご冥福をお祈りしたい。
投稿者 raumraum : 02:51 PM | コメント (0)
July 01, 2009
ピナ・バウシュ逝く / Pina Baush is tot.
昨朝、ピナ・バウシュが急逝した。死の5日前に、癌の告知を受け、10日ほど前の週末には、舞台に立っていたそうである。
想いがけず、少しショックを受ける。「想いがけず」というのも、もし「好み」でいうならば、バウシュの舞台は、むしろ「好みではない」からだ。
バウシュの舞台は「Tanztheater」という名の通り、ダンスの中に演劇的な要素を取り入れた独特のスタイルである。人間の孤独、悲しみ、恐怖、憂い、滑稽さ、弱さといったものの情景、心象風景が描かれる。日本でも強く共鳴する観客は多い。
「誰もがどこかで知っている光景」への共感??観客の普遍的な心情??への無邪気な感動には、いつも、いいようのない違和感を覚える。
というのも、あそこに描かれているものは、結局、ドイツ人にしかわからないのではないかと思ってしまうからである。うまくはいえないのだが。。。。単純に、「他国のものを理解できる訳が無い」という話ではない。
日常生活の中で、折に触れて接してきたドイツ人の(ここではどちらかというと)怒り、悲しみなどの負の感情、微妙な心情の襞を目の当たりにしているような嫌悪感に襲われるのである。あまりにも生々しく、そこには、その文化、言語でしかわからない繊細さかつ乱暴さがあるように思うのだ。それに対する抵抗、バツの悪さ、割り切れなさ、後味の悪さ。
ローカルなものへの表現のディテール。ある土地に根づいた文化、心情といったものを丹念かつ赤裸裸に扱っていくこと。
果たして、「観客」はバウシュの舞台の「何」に、あんなにも歓喜するのか。
その訳を知りたくて、しょうがないからまた行ってみるかと思ったりするのだが。。。。。
そんなことを考えていたら、もはや、かなわなくなってしまった。