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June 02, 2006

in 山口 / in yamaguchi

5月末から6月初めに2週連続の山口滞在。友人である某美術館学芸員さんとひたすらひたすら仕事の打合せ。またもやまったり温泉につかっている暇がない。

この何年か定期的に山口には来ているが、これまでどこか固定した思考の中で、この土地の空気、空間像を組み立てようとしていた気がする。それがここに来てやっとちょこっとこの地域の空気?をつかんだ感じ。打合せの中で、雪舟についても面白い話を聞いた。ああ〜、やっぱりそうか、っと合点がいく感じ。この秋、再び山口県でプロジェクトを行います。今回は、当初よりいつかはと思っていた山口市なので、楽しみ。。とプレッシャー。

山口市は、室町時代に大内氏が京都に見立てて「西の京」としてつくった街です。例えば、街を南北に結ぶ「一の坂川」は、京都の鴨川に見立てられた室町時代の人口の川です。その後、毛利氏が萩から移ってきたり、歴史的な建造物が多く残る場所です。山口県と言えば、幕末、明治維新にかけては長州藩だった場所ですから、伊藤博文、井上馨、高杉晋作、山県有朋、木戸孝允といった人々を排出した場所でもあり、山口市にも、彼らが滞在した当時の民家(十朋亭)、料亭(菜香亭)といった昔ながらの日本家屋や、こりゃ国会議事堂のミニチュア版かい?というようにりっぱな旧県庁や旧県会議事堂(ともに重要文化財)等も残っています。

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旧県会議事堂 / ehemaliges präfekturparlamentsgebäude/ former prefecture conference hall


そして何よりもうらやましいのは、そういった時代の積層と現代がうまく混在している点。実は、政治の表舞台となってきた場所だけに、もともと歴史文化の厚みや「ハレ」をもった場所なのだろうけれど、、ウェブなどで調べものをしていると、県の文化財アーカイブ(テキスト、画像、動画)なども割と豊富に公開されていて感心します。東京からだと遠方なため、意外と皆さん知らないのですが、とても魅力的な街です。

投稿者 raumraum : June 2, 2006 01:48 AM

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