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February 04, 2008
バットシェバ舞踏団「テロファーザ」/ TELOPHAZA by Batsheva Dance Company
バットシェバ舞踏団「テロファーザ」(2/2, 神奈川県民ホール)を見に行った。
ひとことで解釈されることを、やんわりと回避する。その時々のシーンの中で、断片的でまとまりのつかない感触がただよう。見終わったあとにも思考する楽しみがのこる、とても良いパフォーマンスを久しぶりに見た。
芸術監督であるオハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踏団は、国際的にも評価の高いイスラエルのコンテンポラリー・ダンス・カンパニーだ。
30人あまりの群舞。基本的な振り付けはあるものの、細部の仕草はダンサーそれぞれの身体性と解釈の中で、フォルムを描きリズムを刻む。それが、同じ動きをしているはずの群衆の中の、とても微細な個人の存在に眼を向けさせる。
私は、観客がどこに注意を向けたら良いか分からないような場所が好きだ。
私は、観客に選択をゆだね、全てを包括することのできない個々の瞬間を撒き散らす。
観るという私たちの体験は、すべての要素を一度に理解できるということとは関係ない
我々はそれをすべて包括できるとは約束されていない。
それは―――幻影である―――ということはできる。
オハッド・ナハリン(公演パンフレットより)
複雑な政治的背景はあるだろう中で、それとは別にあるいはそういったものも含みつつ多くのものの可能性を示唆し、表現としてのパフォーマンスを丹念に、良質に、つくりあげている。と、感じた。
投稿者 raumraum : February 4, 2008 09:38 PM